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換気扇クラッシュ!

2012.5.8

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換気扇が、突然壊れました。
ゴーーーっという音がして空回りする。
すぐに大家さんに修理をお願いしたけど、何しろ30年前の換気扇だから
メーカーも同じものは持っていない、ちょっと待ってくれという話になり、
あと数日は、換気扇なしで生活です。

換気扇がないということは、調理中の油やニオイを吸い込まないということで、
焼き魚は作れないだろうな、それから、いためものや揚げものはできないだろうなということ。
でも、そういうことをすべてやらずに生活するのは案外難しくて、
サラダ油とかは少し使っています。すぐ横の窓を開けて。気候のいい時期でよかったよ。
なるべく汚さないように、と思って作ると、
案外コレが和食生活になるんですね。
調理が茹でる、煮るぐらいになる。まあ、ちょっとは炒めるけど。

昨日はかつおのたたきと豆腐のみそ汁、それにホウレン草のおひたしにしました。
今夜は牛肉を使う予定なので、牛肉とかぼちゃの炒め蒸しの予定。
本当は肉じゃがを考えていたんですが、
八百宗に行ったら、杉崎のお兄ちゃんは「今、新じゃが高いんだよ」とのこと。
ひねの男爵はあったけど、煮崩れるしなーというので、かぼちゃにしました。

新じゃがといえば、私は毎年この時期、新じゃがを蒸して、
たまねぎと新きゅうりと新づくしでポテトサラダを作ります。
生のたまねぎが苦手で、炒めたり煮たりしてしか使わないんですが、
新たまねぎは、そう臭みがない、茂樹が少ないってことで。
さらに刺激を少なくしようと思えば水に晒せばいいんだけど、
一度晒したたまねぎは、キッチンペーパーで水気をとってもイマイチで、
水にさらすと、刺激と同時に味も流れてしまうような気がするんで、
ちょっとばかしの刺激は、熱々の潰したばかりのじゃがいもに混ぜることで減らす。
まあ、気がする、というだけの世界ですが、苦手な自分が納得するんだからいいでしょうということで。
「ポテサラ作るのに新じゃが」と言うと、
杉崎のおにいちゃんは、「へえ。水っぽくない?おれはひねだな。ほっくほくだよ。
人によって違うんだなー」と言っていました。どっちがおいしいのかな?

私が新じゃがでポテトサラダを作るのは、この時期、サラダがおいしくなってくるのと、
数日かけて食べてもまだ腐らないのと、なんといってもめんどくさくないからです。
じゃがいもって、ときどき、くぼみの周りの皮をむいている間にめんどくさくなるんだよね。
冬とか、煮ものつくってて「ああ!もう!」と叫んでるときあるもん。
その点、新じゃがは、皮ごとなんでもつくれちゃうから、切るだけでOK。なんて簡単なの。
もちろん、最近は、スーパーへ行けば、くぼみの少ないじゃがいもも売っているのは知っている。
でも、なんか、八百宗でおすすめの時期の、煮崩れしにくいよって言われて買った男爵は、
ゴツゴツと処理がしにくいのに、まさにじゃがいもって感じのしっかりした味がしておいしいのです。
念を押されない場合は、煮崩れするタイプの場合だから、メークインにしちゃうけど。
何しろ、そういうふうに、春以外はポテサラ作らないし、コロッケとかも作らないからなー。
つぶれないじゃがいもがいいのです。
それに、新じゃがを皮ごと使えば、なんかうまみが逃げないって言うじゃない。
野菜は皮と実の間が一番おいしいんだって。ほんとにそんな気がするんだよね。

というのは、ほとんど20年ぶりぐらいにポテトサラダを作ったときに思った。
かぼちゃを蒸しただけ、みたいな料理を夏場にするようになって、
そういえば、ポテトサラダは、じゃがいもを茹でて、その湯がき汁をスープにしてって
親から教わっていたけれど、そうではなくて、蒸してしまえば楽じゃないかって。
別にスープは作らなくていいし、じゃがいもの汁なしでもいいし。
蒸してしまえば、うまみも逃げないし、簡単じゃないのって。
それで、新じゃがのポテトサラダが食卓にのぼるようになりました。
にんじんとかハムとか入れないで、シンプルに、わたし流。
これがうまいのです。

換気扇ですが、回さないと、熱気が顔にもろにかぶるってことは初めて知りました。
昔、換気扇が入って、世の中はいためものや揚げものが楽になったんだって
くり返し本で書いてきたけれど、確かに、火の周りにずっといるような料理は
換気扇なしでは厳しい。煮ものはずっとついている必要ないもんね。みそ汁とか。
換気扇なし生活、いい体験かもしれない。

ちなみに、私が換気扇登場の話を最初に書いたのは、
『うちのご飯の60年 祖母・母・娘の食卓』(筑摩書房)でした。ちょっと宣伝。

小松菜のアーモンド和え

2012.4.30

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八百宗の小松菜は量が多い。
数えてみたら、12株もあった。それで、150円なんだもんね。びっくり。
前に「新聞で包んでおけば持つよ」と金子のおじさんに教わって、
白菜を丸ごと買ったことがあるんだけど、それ以来、
すぐに使い切れないなという青菜は、新聞紙でくるんで冷蔵庫にしまう。

ほんのり湿った新聞紙を開けると、
3日前に買った小松菜は、まだ青々としていてみずみずしい。
それで、今日は思いついたことがあるのさ。

冬にケーキを作ったまんま、密閉して残っていたナッツをこれで使おう。
というのは、この間、ベトナム料理店のサイゴンで、
パパイヤサラダを頼んだら、パパイヤやにんじん、きゅうりがピーナッツで和えてあっておいしかったから。
じゃあ、うちでも似たようなことをしようかと。

題して、小松菜のアーモンド和え。
小松菜はざく切り、にんじんと、あの奈良の筍の残りをせん切りする。
アーモンドスライスをフライパンで乾煎りする。胡麻をする。
フライパンを空けて、ごま油を熱してにんじんを炒め、筍と小松菜の軸を炒めながら、
酒としょう油で下味をつける。
野菜の色が変わったら、味噌、胡麻、アーモンドを加えて、小松菜の葉っぱを入れて炒める。
軽く炒めたら、火を止めて全体をよく混ぜてできあがり。

それでもって、この間、甥っ子の入学祝いの内祝いでもらった
とてもすてきな、白い花びら型の大皿に盛る。お義姉さんって、センスいいよね、
というか、2人しかいないのに、何でも大皿に盛りつけて、食べていることを何故知ってる?
そして、そして、昨日ダイエーで衝動買いしてしまった小鉢に取り分けつつ食べる。
ちょっと大きめの小鉢、欲しかったんだよねー。
なんかさ、親のお下がりの取り皿があったんだけど、
それだと取り分けたときに、半分場所が余って、野菜から出てくる汁とかがみっともないんだよね。
小さい小鉢もあるけど、それでは小さすぎるし、それこそ和えものしか合わない。
もう少し大きくて、もう少し深くて、おしゃれなやつって。
で、見つけた。これがいいかなって。ブルーの諸物が描かれていて、ちょっとだけ四角いの。

実際に盛りつけてみたら、柄がちょっとうるさかったかなーと思ったけど、いいんだ。
長年、母と叔母のお下がりの食器を、割れたた買い換えようと思って使い続けてきたけど、
なかなか、割れないんだな。うちは夫婦ゲンカでももの、壊したりしないし。
子どももいないしね。今まで割れたの、お気に入りのお皿が1枚、
結婚記念で買ったけど、飽きちゃったベージュのスープ皿(便利なもんで、結局買い足して使ってる)。
あと、お茶碗は数回買い換えたかな。急須と湯呑みと。
まあ、数え上げてみるとそれなりにあるけど、皿とかコップとか割れないんだな。
「使わないのは捨てろよ」なんて言われても、「壊れてないのに」と言い続けてきたけど、
まあ、あんまり使わなさすぎるグラス類は一度捨てた。
で、今度の金属ゴミの日に、小鉢を買った替わりにいらなくなった、小皿を捨てようと決めた。
でも、ちょっと良心が疼くんだよね、使えるのに捨てるなんて。
といって、使いさしをもらってくれそうな人もいないし、
うちの近所のリサイクルショップも使用済みは受け付けないし。
みんな、いらなくなった食器はどうしているのでしょうね。

ところで、小松菜のアーモンド和え、マルです。「香ばしくておいしい」って言われました。
自分で食べても納得の味。にんじんのくさみが全然なくて、こういうのを子どものときに食べたら、
にんじん、嫌いにならなかったかもなどと考える。
エスニックなんて概念がうちらのような一般人にはなかった時代だけど。
アーモンドスライスもいい感じ。汁が入ってちょこっとくたっとなって、でも、味と食感はそのまま。
いろんな食感と味が混ざり合って、ハーモニーという感じなのです。
カシューナッツとか、くるみとか、塊のナッツを使って中華風にしてみようとすることもあるんだけど、
あれは難しいよね。
ある程度砕くけど、厚みがあるから中までなかなか火が通らないし、
そうしている間に表面は焦げ付くし。
こないだ、サイゴンで、カシューナッツを野菜と炒めた料理を食べて、周りの人に聞いてみた。
「これって、素揚げしてると思います?」
「してると思う」
やっぱりな。素揚げすると、油が余るんだよなー。
これからは、ナッツを使うときは、アーモンドスライスにしよう。ってめったに使わないですが。

奈良県産の筍づくし

2012.4.26

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奈良県に住む義父から大きな筍が丸々2個分送られてきた。
ちゃんと茹でてあるもの。ありがたい。
何しろ私は生の筍を糠からちゃんと茹でたことがない。
いつもの八百屋で買うのも、よく業務用のゴミ箱に使われている
あのブルーのプラスチックケースいっぱいに茹でてある状態のもの。
おじさんは、いつも、水をいっぱいに張ったその中から大きめの2個を取り出して売ってくれる。
500円のときと600円のときがある。出始めは700円なので手を出さない。

筍が余ったときは、タッパーに入れておくと長持ちする、と教えてくれたもの
八百屋のおじさんだった。最近、おじさんは、おしゃれのためといって、ひげを伸ばしているので
ちょっとむさ苦しい。でも、元気。病気をしたりして暑さ寒さ湿気がこたえるようだけど、
毎日店に出て、「安いよ安いよ」とか、「小松菜なんて高くて買えないよ」(野菜高騰時)とか
おしゃべりしながら売っているうちに、元気になってきた。今は、けっこう元気そう。

そんなわけで約20×25cm角ぐらいの大きなタッパーに入ってうちへやってきた筍は、
すぐに浄水器できれいにした水に浸けて、一安心。
筍はねー、大好きなんで、500円も出してシーズン中買い続けるのは、
懐にも結構痛いのだけれど、今しかないし、と思うとやっぱり買ってしまう。
八百屋で生から茹でたてで売っている筍を買い始めると、
オフシーズンに真空パックとかで売っている筍は買えなくなる。
筋の多い中国産(遠くて輸送に時間が掛かるせいだと思う)とか買えなくなる。

だから、先の方のひめかわまで付いて25cm弱の筍はとってもありがたい。
義父は以前、恩師から頼まれて大阪の大きな畑まで出かけて野菜作りをしていた。
その野菜を送ってくれるのだが、その量の多いこと、多いこと。
それまで一人暮らしを4年半した間に料理は覚えたけど、大量の野菜の処理なんて知らなかったから
最初は、うれしいの半分、困ったの半分、といった調子で…というか、「忙しいのに」と不満ばかり言っていた。
ホウレン草や小松菜はまとめて茹でて冷凍し、
さつまいもを処分するために天ぷらをし、
グリンピースを泣く泣く2時間かかってさやをむいた。このときは夫も動員。
自分の親の好意に対して不満を言う妻には、呆れていたんではないだろうか。

そんな時期を数年ほど過ごすうちに、大量の野菜をさっさと料理する技がいつのまにか身についた。
小松菜も、ホウレン草も冷凍しなくても使いきれるようになった頃、
ガソリン代が高騰して、義父は不経済過ぎる畑通いを辞めた。
前後して、西小山へ通える距離に住むようになった。
ものによるけど八百宗の野菜は量が多い。だからスーパーの半額や3分の1ぐらいの価格で野菜を買える。
杉崎のお兄さんは、珍しく他の街を歩いた後で「いやー、野菜ってどこも高いんだね」と驚いたぐらい。
小松菜なんて、スーパーの3倍ぐらいの量が入っている。
その量の多さに、驚いたのが最初。義父に鍛えられて大量野菜を処理できるようになっていた私は、
すぐに八百宗の優良顧客になった。
というのは、最近はすっかり時間が取りづらくなって店に入っていないけれど、
以前働かせてもらったときに、みんな、
私たちみたいに一度に6種類も7種類も野菜を買わないことに気づいたから。
中年2人暮らしなのに、私たちは、けっこう日々、野菜をたくさん食べている。

また話がそれてしまった。
それで、義父の筍の話。
畑はやっていないはずなので、「この筍、どうしたんですか」と聞いたら、
「ターゲットゴルフをやっている練習場のそばで掘ったんや」とのこと。
義母と一緒に早朝にでかけ、皆の分を掘ってきたのだという。
奈良県、筍っていかにも古都っぽいけど、義父が住んでいるのは、
昔のニュータウンだ。雅な場所ではないが、やはり奈良県だからなのか。
そういえば、今や中学生の甥っ子が幼稚園児だったころ、
「おばあちゃんと筍掘った」と話してくれたことがあったっけ。
春先におじゃますると、義母が大きなすり鉢で木の芽をすりつぶし、
それを甥っ子は横で見ながら楽しげにしている。
ニュータウンなのに、昔ながらの食卓を覚えられるこの子は幸せもんやな、と思ったっけ。

筍はさっそく料理に使い始めて、今約半分調理したところ。
いつもだったら、高いし、と思って、筍ご飯とか汁もの、炒めもので終わっちゃうけど、
せっかく量があるので、肉じゃがに入れてみた。
ひめかわの部分は、筍ご飯にしよう、と豆腐屋で、油揚げを4枚も買った。
はい、この1週間ぐらいの間に、4回筍ご飯をするつもりです。
で、春キャベツとみそ汁にして、今夜は、筍メインの炒り鶏を作るつもり。

ああ、春は料理のテンションが上がる。



驚きの梅干

2010.6.15

11日のエピソードでもう一つあったの忘れてた。
梅を、60キロ予約したおばさんがいたの!
もちろん持ち帰りなんてできないから配達。
「どういう人?」って杉崎のお兄ちゃんに聞いたら
「あの人はね、毎年そう。漬け方が上手らしくって、
たくさん漬けて、田舎の親戚とかに送るんだよ」って。
へえ。なんか昔と逆。そういう保存食って田舎の人が、
自分ちでとれたからたくさん作って、都会へ出た子どもたちへ送る、
そういうものだったのにねえ。
うちも、子どもの頃、おばあちゃんの梅干があったもんね。

金曜日はかなり黄色くなった梅を売っていた店頭は、
また青梅ばっかりになっていた。新しいの入れたんだね。
うちの梅は梅酢が上がってきて、そろそろ重しを減らそうかという頃です。

梅干の季節

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2010.6.13

梅雨直前の6月11日、またお店を手伝わせてもらいました。
日差しが強くなってきたので、菜っ葉や豆類はビニールシートの陰。
同じような店先に見えて、実は金子のおじさんのきめ細かな管理で
店の様子は少しずつ変わっているのです。
日差しが強ければビニールシートをかけてやり、すだれをさしかけて野菜を保護する。
量が少なくなったものは、裏で、箱から野菜を出してきて1束ずつビニールテープに巻き、
あるいはビニール袋に入れてまた一塊店先に並べる。
売り切れたものは、台にしていたプラスチックケースごと片付ける。

もちろん、杉崎のお兄さんも店先を変えていきます。
金曜日の昼に手伝いに行くと、お惣菜を売る土曜日の準備で野菜を切っていることが多い。
今回も、かぼちゃを何個も割って大忙し。
夕方になって、4時には車両通行止めにするので、
惣菜を店の前に出してレイアウト変更をします。
この場所は、狭い通りなんだけど、向かいに大黒屋があって、その隣にドラッグストアがあって、
八百宗とともに、みんな店先に商品を並べているので、
車が通ると道はいっぱいになり、人は慌てて商品の間に入って避難しなければなりません。
ベビーカーやら、おばあちゃんの買い物カートなんかがあるときは、
クラクションを鳴らしていく車すらいます。

この時期は、梅が並んで店先から甘酸っぱいいい匂いが漂います。
この日は、1キロ1000円の南高梅に850円、700円、400円と
大きさによって何種類も並んでいます。
でも、今年は春に記録的な低温の時期が続き、花が咲かなかったり実ができなかったりして
梅は少なく、あと1週間ぐらいでなくなってしまう、と金子のおじさん。
私はこの間、「もうじき高くなるよ」と言われて、思わず青いうちに買ってしまいました。
うーん、もう3日まてば黄色い梅が買えたのに。と思っていたら
杉崎のお兄ちゃんに「梅はね、今日かなと思ってから3日してから買うといいよ」と言われました。

今回は、私が店番している間に梅を買った人はゼロ。
一人、麦わら帽子がよく似合うかわいいおばあちゃんが、
「青いカリカリの梅が欲しいんだけど」と言いながら、長く店先にいました。
サミットで見たら、大きさがまちまちで980円もしたって。
「今年は早いんだよ。もう青いのなんてないよ」と金子のおじさんは冷たい。
実はこのおばさん、私たちにさんざん梅の漬け方を聞いて、
ほかの野菜のことも聞いて、結局何も買わずに帰りました。
金子のおじさんは、このおばあちゃんが買わないことを知っていたのかな。

金子のおじさんがつけた小梅は、けっこうよく売れました。
つけるのはめんどくさい、でもここのは安いしというので買っていく人も多い。
「おいしいのかしら」と不安がるおばさんに、「ここのおじさんは30年のベテランだよ」
と言ったら買っていったおばちゃん。
「毎年この時期は、店先をチェックしてるの。でも買ってもすぐなくなっちゃうのよね」
と言いながら、4パックも買っていったのは、たぶん私と同年代の女性。

金子のおじさんは、他の梅の使い方を教えてくれました。
梅酒は黄色い梅でつけた方がおいしいということ、
熱湯に3回くぐらせてからゆがき、アクを取りきったら
砂糖と蜂蜜を加えて冷まし、冷凍庫で凍らせて食べるとおいしいこと。
2ついただきました。アルコールになりかかっている強い刺激と、
甘酸っぱい味が口の中に広がって、なんだか現気になるようです。

あと、たまに商売でもなさそうなのに、
5本も6本も束ねた白ネギを、5束も持っていったり、
小ぶりのキャベツを4玉も買っていくようなおじさんがいます。
私なんて、ネギは1回に1本使うのが精一杯だから、いつも4本目ぐらいから
青い部分が黄色くなってしまうのに、この人達はどう使うんだろう。と思っていたら
杉崎のお兄ちゃんが「まとめて刻んでおいて冷蔵庫に入れておくの。
まとめて料理しておく人もいるよ」って。
みんな、安いときに買って上手に使いこなしているんだなあ。
作りおきっていうのが、私は苦手だからなあ。

トマトやきゅうりはよく売れます。
ナスの250円を高いと言いながら、いつも1キロ400円のそら豆を買うおばちゃんもいる。
そら豆はみんな好きらしくて、単価が400円でも、けっこうコンスタントに売れます。
豆ご飯にするんだって言ってたおばちゃんがいた。

気候がよくなると買い物にくる人も多い。2時台は少ないけれど、
3時過ぎると人がけっこう来始めて、次々と1000円札が増えていきます。
やっぱりよく売れるのは定番の野菜なんだなあ。
ネギ、キャベツ、きゅうり、トマト、たまににんじん、インゲン、なす。
今回は、年齢層はちょっとバラけた感じ。暑くなってくると、若い人も増えるんだろうか。

アイスプラントが人気

P1010166.JPG2010.5.9

久しぶりにお店を手伝いに行った。
4月は行きそこねちゃって。根三つ葉が400円もの高値になった時期は知ってる。
小松菜やほうれん草もいつも半分ぐらいの束になっちゃって。
でも、金子のおじさんも、杉崎のおにいちゃんも、元気。

昨日は、24度ぐらいまで気温が上がったけど、天気が不安定でおじさんたちに言わせると、
「客こねえなあ」なんだけど、1ヶ月以上ぶりに店に入った私としては、
やっぱり暖かくなると客足が違う。単価も上がる。
1キロ400円もするそら豆がよく売れる。2パック買っていったおばちゃんもいた。
筍は500円まで値を下げたけど、そろそろシーズンが終わりだからか、
私がいた間は誰も買わなかった。
人気だったのは、この春から店に置き始めたアイスプラント、正しくはシオーネ。
すでに食べたことがあるおばちゃんも、初めてというおばちゃんもいて。
「サラダに入れたり、肉炒めの下に敷いたらおいしいよ」と言ったら、
金子のおじさんが「そうそう」と相槌を打ってくれて「そうなの」と買っていってくれたおばちゃん。
「これがおいしいよの、頼まれてんの」と言いながら、3パックも買っていったおばちゃん。

本しめじが入ったときもそうだったけど、いつものおかずにちょっとアクセントをつけるような
珍しい素材は売れていく。つられてほかのものも買ってくれるし。
杉崎のお兄ちゃんは「もう少ししたら、ルッコラを置いてみようと思ってるのよ」。
「ハーブをスーパーに売っている束の半分か3分の1ぐらいであったら買いやすいんだけどな」
と言ったけど、あれが最小単位なんだって。で、ハーブはリスクが高い。
そうなんだよな。バジルとか、前買ったとき困ったもん。一度にたくさん使うもんじゃないでしょ。
トマトサラダに入れて、半分以上残ったのを、使うのに困って結局炒め物に入れてしまった。
「前に、市場で今日は安いからって、ミントを大量に押し付けられてさあ、大変だったのよ。
おばちゃんたち買わないし、結局ケーキ屋のにいちゃんを捕まえて、安くまとめ買いしてもらったの」
って、杉崎のおにいちゃん。

土曜日は惣菜の日なので、杉崎のお兄ちゃんは仕込みで忙しかった。
行ったときは、かぼちゃを切っていて。ひげのところも包丁できれいにとっていた。さすがプロ。
そういえば、この間『Hanako』のバックナンバーを調べていて、88年に
「西小山は惣菜の町」って紹介されていたって話をしたら、驚いて
「そういえば、うちが惣菜を出し始めたのもその頃からもしんない。お袋がまだいてさ。
最初は味見だったのよ。こういうのどうって話していたら、「これ売ってないの」ってお客さんがいて。
そっから出し始めたの。置いたら売れるんだ、これが。15年、20年ぐらい前かなあ」って。

昨日置いてあった惣菜は、だいこんなます、きゃらぶきの佃煮、ふかしいも。
ちゃんと売れていくんだな。なますといもを買っていったおじさん。なますだけ買ったおねえさん。
そういえば、男性のお客さんは迷わない。
女性が、あれこれ選んで、少しずつ決めたり、結局どれも買わずに行っちゃう人もいるのに、
男性は、「これとこれ」ってさっと選んでさっとお金を出して去っていく。
立場の違いかなあ。いずれにしても、女性は、私もそうだけど、毎日店に来て、
何がおいしそうか、何が安いか考えて、今日の献立を決めてから買っていく。
献立づくりは大変なのよ、ほんと。毎日だから。

キャベツがすっかり安くなった。1玉100円。2玉買ったおばちゃんが、
「うちは大家族だから。5人なのよ、いまどき珍しいでしょ」と恥ずかしそうにしてた。
豆もよく売れる。さやいんげん、沖縄の枝豆。
トマトも人気。暑くなったもんねえ。
この日は、3個350円のトマトと1束100円のほうれん草が売り切れた。
殻になった箱を見るとうれしい。

金子のおじさんは、ほとんどバックヤードにいて作業をしていた。
暗い奥から、金子のおじさんの作業している背中があって、その向こうに野菜が並んで、
店の前を、いろいろな人が行き交っていくのを観ていると、まるで映画みたい。
向かいの大黒屋のおじさんが、飲み物類を重ねたカートを押していったり、
自転車のおばちゃん、おじちゃん、学校帰りの小学生、車。
みんなそれぞれ人生があるんだなあ、なんて当たり前のことをぼんやり考える。
金子のおじさんは、そうして私が見ている間に、そら豆を全部さやから出し、
きゅうりを袋詰めにし、なかなか売れない行者にんにくのぬたを作った。
ぬた作りは夕方で、もしかすると私が「これ、どうやって食べるの」って聞いたからかも。
なますといもを買っていったおじさんが、「これゆでるんだよな」と言いながら、1個だけ買った生野菜。
食べたことないんで、私、返事ができなかった。

そしたら、金子のおじさんが、「端っこがいたんできたから」って切り取って、
ゆでて、砂糖が入った酢味噌であえて、一口くれた。
包丁を入れたときには、周り中にニンニクのにおいをさせていたのに、こうなるとしない。
子どもの頃に食べたわけぎのぬたあえを思い出す味。
「これぜんぜんくさみがないだろ」「うん、まさにぬたって感じ」
「よし、明日出そ」といって、おじさんは作ったぬたを冷蔵庫へ。
金子のおじさんの料理は、そうだ、昭和の味がする。

途中で、病院から帰ってきたばかりの、果物屋の杉崎の大将が店に寄って、
「カレー食べようと思ったのに、ご飯が無い」って。
3時過ぎに作業が一段落したときに、金子のおじさんが「腹減った」って言って、
炊飯器に残っていたご飯を茶碗にもって、その上からカレー、らっきょうをのっけて食べちゃったの。
今日は2人だから2合炊いたんだけどなくなったって。
それで、杉崎の大将に頼まれて、100円ローソンでパックのご飯を買いに行った。
ふだん買わないから知らなかったけど、100円200グラムのご飯のパックは何種類もある。
迷った末に、コシヒカリと書いてあるやつを買った。
それから、杉崎の大将は、私に「このカレーうまいんだ、くってみな。カレーだけだけど」と
小皿に1杯、カレーをよそってくれた。これもなんだか懐かしい味。ピリっとするんだな。
「何が入ってるの?」と金子のおじさんに聞いたら
「しょうがとかニンニクとか、隠し味いろいろ。ピリっとするのは一番からいルーを使ったから」って。
大将はしばらく机で私の前に座っていて、
「おれ、スーパー入ったことないんだ。八百宗の大将がきてるとかいわれるからさ。
コンビニも入らない」とぼそっと言った。恥ずかしいんだ。
お使い行くときに、杉崎のお兄ちゃんが、大将に自分でいかそうとしたからかな。
シャイなおじさんのプライドをはじめて垣間見た。


食べ慣れたものが好き?

2010.3.17

ずっと忙しくて行けなかった八百宗へ昨日久しぶりに働きに行った。
昨日は東京で最高気温が21度まで上がった暑い日。
おじさんたちは、「お客が来ない」と言っていたけれど、
冬場に比べれば、倍は人が来ていたと思う。

3月は野菜の端境期なんだけど、金子のおじさんが一生懸命根切りながら
仕入れてきた野菜で、店頭はにぎわっていた。
ふき、ふきのとう、根三つ葉、新キャベツ、アスパラガス。
昨日の目玉は、ふだんは店頭に並ばない本しめじ。
金子のおじさんいわく「松茸みたい」。
でも、意外に動かないんだ、これが。
みんな、キャベツとか、ほうれん草とか、大根とか、ニンジンとか、
定番の野菜ばかりを買っていく。
「めったに入らないよ」と言うと、買ってくれるお客さんもいるんだけど、
「うちは食べないから」と言っていくお客さんも多い。
私なんて、珍しい野菜を見ると、とりあえず買ってみたくなるんだけどね。
そういいながら、本しめじはしっかりゲットした。

3時ぐらいになって、金子のおじさんが
「よっしゃ、じゃあ味見用を作るか」といって、本しめじと、しいたけと、アスパラを取って、
醤油とバターで炒めて出した。
それを見て、お客さんたちは「これ煮物?」と聞く。
おじさんは、「炒めただけだよ。アスパラはゆでないでナマから炒めたんだよ」と説明を繰り返す。
そうか、西小山じゃ、アスパラはまずゆでるのが常識なんだ。
ブロッコリでもいるもんね、炒める前にゆでるって人が。
でも、実はおじさんがやったように、炒めるときは茹でない方がいいんだよ。ぐずぐずになるから。
味見して、納得して買っていく人もいる。
「これはお惣菜ないの?」と聞いて、ないことが分かると買わないおばあさんもいた。
「炒めるだけだよ」と言うと、「めんどくさいから」って。
今日は、里芋とニンジンの煮物、ごぼうとニンジン、こんにゃくのきんぴら、かぼちゃの煮つけ、
さつまいものふかしたのを並べていたけれど、
そういえば、そういう惣菜を買っていくのは、お年寄りが多かった。
年をとると、料理をするのも億劫になるっていうのは本当なんだなと思った。

杉崎のお兄ちゃんは、夕べ夜中まで映画のDVDを見ていたから眠いといって、
裏で、ざぶとんを並べて1時間以上昼寝していた。人に優しく、自分にも優しく。不思議な人だ。

あるおばあちゃんが、顔をほころばせながら田芹を買っていった。
「私みたいなイナカモンは、こういう昔のものがいいのよ」って。味噌和えにするんだって。
そうね。スーパーには新しい野菜はたくさん並ぶけど、ここは昔ながらの野菜が並ぶ。
そういう住み分けをしているともいえるんだ。
小さなお子さんを連れたお母さんが、「かぼちゃ、半分になります?」といって、
半分だけ買っていった。食べきれないからって。
食べきれない、を理由に買うことを躊躇する人もけっこういる。
八百宗の野菜は量が多い。昨日は、人の頭ほどあるブロッコリーを150円といつもの3倍の値段で
売っていて、でも、珍しいもんだから、ちゃんと売り切れた。

いいものを扱っているのに売れないことが悩みの八百宗。
いつも買ってくれるのは、おばあさんばかり。
90年代前半までは、親子で買い物に来る若い女性も多かったっていうから、
人口構造とライフスタイルの変化が、影響していることは確か。
商店街自体の人通りが、そんなに多くないし、しょうがない部分もある。
昨日、久しぶりに店番して、一番の「しょうがない」原因は、
世代によって欲しい野菜の種類が違うことかもしれない。
本を書いて、取材を受けたりして実感したのは、戦後60年の変化は激しすぎて
親子孫でライフスタイルが変わりすぎた。
60代、70代の元気だけど、少々料理が億劫になったおばあちゃんたちは、
昔ながらの野菜をちょっとだけ使いたい。
30、40代は目新しいものが欲しい。洋風のものが好き。でスーパーへ行く。
若い世代を掘り起こそうと思えば、常連客が来られない店になってしまう。
変えられない、でも変えないと先細りになる心配がある。そういうジレンマがあるんだ。
少しずつ、工夫して変えていくしかないんだなあ。がんばれ、八百宗。

年明けは閑古鳥

34709312010.1.11

1月8日の金曜日の午前中、久しぶりにお店を手伝いに行きました。
前に、金子のおじさんが「午前中のお客さんは目的買いだから決断が早い」と
言っていたので、その様子を確認したいと思ったので。

おじさんが市場から帰ってきて店の準備を始めるのが10時過ぎということだったので、
10時半頃行ったの。
そしたら、金子のおじさんが一人で黙々と野菜を並べている。
杉崎のおにいちゃんは寝坊なんだって、というかいつも朝は遅いそうで。
しばらく眺めていたけれど、そのうち、おじさんが仕事を言いつけてくれた。

まずは、「風にあたると弱いから」といわれて、菊菜をビニール袋へ入れる作業。
「このビニール袋ってどこで売っているの?」
と聞いたら、「市場に何でもあるよ。ケースとも売っている」とのこと。
そうか、大阪の道具屋筋に飲食店の材料が何でも売っているのと同じね。
それから、ピーマンの袋詰め、絹さやの袋詰め。
いつも、驚かされるんだけど、旬を1ヶ月も2ヶ月も先取りしたような野菜が並ぶ。
絹さやって春の食べ物だったはずだけど。
菜の花だって、12月から売っていたし。あれも2月ぐらいにならないと、なんか食べる気しないんだけど。
という意味で言えば、年中置いてあるきゅうり、トマトもすごい。
この日は、並べる前から、おばちゃんが二人「トマトは?」と買いにきたし。
本当に、みんな旬なんて関係なく買い物するのね。
糠漬けを作る人が多いせいか、きゅうりやなすはいつも売れ筋だし。

袋詰めをしていたら、果物屋をやっている杉崎のおやじさんがニコニコとやってきた。
「うちのにいちゃんは、だめだよね。ほんと」と言いながら。
おじさんは、無口でたぶん口下手だけど、こわいおやじさんではないみたい。
というか、私が来るのをいつも喜んでくれる。この二つの店は、女手がいないからなあ。

11時過ぎぐらいになってやっと、杉崎のお兄ちゃんがやってきて、のんびりと店の奥で何か事務仕事。
お兄ちゃんは、きっと基本的に店を金子のおじさんに任せているんだろうな。
不思議な人だ。

客は少なかった。確かに目的買いというか、お客さんの迷いは少なかったけれど。
自分で、大根の山の中から掘り起こして1本と、ネギを買っていったおばさんがいた。
杉崎のお父さんが、「さっき大根を買っていった人いる?」って聞くから「はい」と答えると、
「見てよ、ひどいんだから」と私たちの前に突き出したのは、
見事に真ん中で二つに割れた大根2本。
しっかり様子を見ておかないといけなかったんだ。
杉崎のお兄ちゃんが言う。「こういう人いるのよ。モラルがない」
そういえば、山積みにした下の方から野菜を引っ張り出す人はときどきいる。
その中に、今回のおばちゃんのように、商品をダメにしておいて、知らん顔する人もいるんだそうで、
「本当に困るよね、そういうのは」と言う。
大根の葉っぱだけきらせて、ゴミを店に押し付けようとするお姉さんもいたしなあ。
そういうモラルのないお客さんは時々いるらしくって、店でも困っている。
お店に損をさせちゃいけないよね、買い物しようと思ったら。

ネギがよく売れた。一人は割と若そうな女性。
「ネギが大好きなんで、これ炒め物にして食べるんです」とうれしそうな顔。
やっぱり東京の人は白ネギが好きなのかな。
「万能ネギないの、万能」って聞いてきた男性が二人もいたけど、
金子のおじさんが「ないよ。今の時期は市場にだってないんだから」と言っていた。
そういえば、ネギといえば青ネギの関西も冬は白ネギだった。
昔は、鍋料理に使うぐらいしか思いつかなかったなあ。

午前中のお客さんは結局10人に満たなかった。
私がいつも買う豆腐屋のおじさんとか、近所のおでんやのおばさんも含めて。
「1月は少ないよ」と杉崎のお兄さん。
「でも野菜は必需品なのに」と聞いたら、
じゃがいもとか年末まとめ買いしておいて、店にそのダンボールを預けておくお客さんがいるんだって。
確かに、冬は保存がきく野菜が多い。
じゃがいももそうだし、だいこん、ごぼう、にんじん、たまねぎ、白菜。
みんな量が多いし、お腹にたまるからそんなに消費しなくていいかも。
私自身も、夏より冬のほうが買い物の頻度は低い。根菜は量もあるし、お腹が膨れるから、
夏のトマトやピーマンの時期みたいに減り方が激しくない。

杉崎のお父さんが「安くて新鮮なスルメイカが入ったから、お昼食べていきな」って。
そのスルメイカで、金子のおじさんが、ナスとピーマンと豆板醤で炒めものを作ってくれるって。
「しかし、イカは煮物が一番うまいよな」とお父さんがいうと、お兄さんは
「てんぷら」と言う。「てんぷらなんて、脂っこいのはいいよ」とお父さんと、金子のおじさんが却下。
お兄さん、けっこう若者の味覚してる。

お昼には、近くの目黒本町で料理屋をやっている弟さん一家がやってくる。
「有り合わせが一番」と言うのは、お嫁さん。可愛い女の子を連れていた。
弟さんが持ってきた、ラ・フランスのワイン煮を、250円の札をつけて
さっそくお惣菜売り場に置くお兄さん。
「え、売るの?」と周りからいわれながら。でも、試食したら上品でおいしかった。
「なんか、でもこれが、この店にあるのって変」といったら
「確かに、渋谷とかで売っているならわかるけどね、妙だね」と言っていた。
あのワイン煮は売れたんだろうか。

帰り際、「うちの人がイカ好きなんで、これちょっとだけいただいて残りはもって帰ります」と
言ったら、杉崎のお父さんが、それなら、「俺、歯がなくて食えないし、もっともって帰りな」
と、2パック分も、イカの炒め物を持たせてくれた。おいしかったです。

下宮酒店が見た西小山商店街

2009.12.17

先日、大谷園さんに紹介していただいた下宮酒店のご主人に
話を伺いに行きました。15日。火曜日が定休日ということで。
下宮酒店は、八百宗があるとおりの先、1個道路をはさんで向こうの通りの
角にあります。昭和32年に建てたという頑丈な建物。宮大工をしていた大工さんに頼んで
先代が立てたのだとか。
ご主人は、おん年82歳、昭和2年生まれです。
店は、最初は別の場所にあったらしいんだけど、戦後に地主さんに言われて今の場所に移りました。
戦中戦後はお酒はもちろん、味噌やしょうゆなども配給していたって。
昭和20年5月23日、東京大空襲の3回目のときに、周りはみんな焼けたけど、
配給所だった下宮酒店だけは、周りの人が水をかけて助けてくださったって。
タンスやらふすまやらは半分焼けたけど、焼け野原にポツンと残っていたそうです。

そのときは、洗足のお屋敷もだいぶ焼けたらしく、
すでに疎開していたその当時の住人達は、戻ってこなかったとかで、
戦後は人が入れ替わっているようです。

西小山は、戦前戦後は100件も集まるにぎやかな商店街だったそうで、
生活用品は一通りそろったのだとか。
魚屋、肉屋、お菓子屋、市場、仕出し屋、八百屋、たこや?飲み屋、漬物屋、本屋、
パン屋、下駄屋、金物屋、モチ菓子屋、ポンプ屋。
2年前に地下化されるまで、西小山駅は高架になっていたんだけど、
それは昭和10年ぐらいからで、最初から地主が下を通れるようにしたかったということらしい。

下宮酒店のご主人は、戦前は下丸子のほくしん電気というところにお勤めで、
機械を扱うのが得意だったので、
戦後はラジオやテレビを自作したんだそう。だから昭和28年の放送開始からテレビは見ているらしい。
力道山プロレスは、近所の人が大勢観に詰めかけたって。
来月取り壊されるらしい西小山会館の社長をやっておられたときもあって、
町の歴史については、格別の思いがあるご様子。取材の主旨もすぐご理解くださった。
「昔の写真もあるから、またいらっしゃい」とのこと。
これからの展開が楽しみです。

CM撮影!

2009.12.9

昨日、客として八百宗へ買い物へ行った。
そしたら、金子のおじさんが興奮して、お客さんたちに
「オダギリ・ジョーの奥さんが来て、きれいだったよー」とか報告してんの。
そういえば、昨日は朝8時から店を開けて、CM撮影があったのだった。
香椎由宇が来てたってことは、キリンのどごし生?
杉崎のお兄さんに確認したら「グッさんも来てた」って。
「どうだった?」って聞いたら、
「60人のエキストラが来て、店員役の人もいて、
なんか昔の西小山を思い出した。撮影が終わったらなんか、空気がひゅーって冷たくてさ」
だって。そんなさびしがらないで。
でも、そうかあ。放送が楽しみ。
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